夏なので怪談話でも……

特に開発とは全く関係ないのですが、夏なのと、今テストプレイをさせていただいているPC用フリーソフト「死月妖花~四月八日~」に触発されて、怪談話でも掲載しておこうかと思います。

怪談:最後の一言

これは埼玉県に住む30代の男性が実際に体験した出来事です。

彼は東京都内にある某大手企業に勤める会社員で、今年で勤続12年。3年前に結婚した奥さんと1歳半になる子供を持つ、いわゆるどこにでもある普通の家庭を築く男性でした。

平々凡々とした自分の人生を退屈に感じつつも、愛する妻と子のために働く日々に少なからず満足していたそうです。

そんなある日、男性が家に帰ると、家の玄関からちょっと離れたところからこちらを見つめる少女の存在に気付きました。

その少女は小学生ぐらいの身長で、黒い髪は腰に届くぐらいの長さ、水色のワンピースを着ていて、何より西洋人形を思わせる整った顔立ちがとても印象的でした。

「あんな子、この辺りにいたっけな?」

男性は怪訝に思いつつも、特に気にすることなくその日は家の玄関をくぐりました。

ところが翌日、そしてそのまた次の日も、男性が家に帰ると必ずその少女がこちらを見つめてくるのです。

さすがにおかしいと思った男性がその少女に近づき「こんばんは。どうしたんだい?」と尋ねると、少女は少し微笑んで「こっち。早く……。」とつぶやきました。

その声があまりにか細かったので最後の言葉が聞き取れなかったのですが、なんだか言いようのない不気味さを感じた男性は「ごめんね、おじちゃんはもう家に帰らなきゃいけないんだ。キミも早くおうちにお帰り。」と答えました。

直後、男性の視界は暗転し、気が付くと病院のベッドの上で横たわっていました。

実は男性は4日前に交通事故に巻き込まれ、一時は生死の境をさまよっていたというのです。

安堵のためか泣きじゃくる奥さん、そしてその腕に抱かれてすやすやと眠る子供を見て、生きて帰ってこれてよかったと男性もほっと胸を撫で下ろしました。

そんな中、ふと奥さんの手提げバッグに目をやると、どこかで見たような小さな女の子の人形のキーホルダーがつけられていることに気付きます。

そして男性は思い出したのです。意識を失っている間に出会ったあの少女の、聞き取れなかった最後の一言を。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「早く死ね。」
 
 
 
 
 
おそまつさまでした。楽しんでいただけましたか?

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